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みさちのにっきちょう

ハイパムフィクサーというバンドのベースの人がどーでもいいことを書いています。Twitter@misachi_bass

「ルドルフとイッパイアッテナ」を読んだよ

 

ルドルフとイッパイアッテナ

ルドルフとイッパイアッテナ

 

 ひょんなことから、ルドルフとイッパイアッテナを読みました。

あらすじ。(Wikiから引用)

ひょんな事から岐阜から東京(江戸川区)へ行ってしまった猫のルドルフは、そこで教養のある猫イッパイアッテナに出会う。ルドルフはイッパイアッテナと気が合い、イッパイアッテナはルドルフを岐阜に帰らせる方法を模索する。ルドルフはその間にイッパイアッテナから字の読み書きを習う。その後、友達となる飼い猫ブッチーとも出会い、岐阜へ帰る方法を発見した。しかし岐阜へ出発する前日にイッパイアッテナがブルドッグのデビルとの喧嘩で重傷を負ってしまう。

 

仕事柄、出先で待ち時間というか待機時間があることが多いんだけど、この前行ったところに本棚があって、ルドルフとイッパイアッテナがあったのね。ルドルフとイッパイアッテナって名前、未だに音声で脳内再生される。

 

1991年に、NHK教育テレビの『母と子のテレビ絵本』(現『てれび絵本』)で堀口忠彦絵、毒蝮三太夫の語りによりアニメ化され、国際児童2016年に劇場アニメ化された

 

これだー。テレビ絵本、これで見てたんだなぁ。なぜかタイトルの声だけははっきり思い出せる。わたしは共働きの両親の元で育ったんだけど、これ、見てたのかなぁ。

 

まぁ、それで、見ていたことだけは思い出したけど、やっぱり内容を思い出せなくて、なんとなく読み始めてみたのだよ。そしたらとても面白かった。待機時間では読みきれなかったから、続きはKindleで買ったよ。Kindleこういうとき有難い。

 

 

内容はあらすじの通りなんだけど、飼い猫だったルドルフはひょんなことからトラックに乗って遠く離れた土地に行ってしまう。そこでイッパイアッテナという猫に出会う。イッパイアッテナは野良猫で、名前を聞かれた時に「俺の名前はいっぱいあってな」と答えたら、ルドルフはイッパイアッテナという名前だと思ってしまって、そこからイッパイアッテナと呼ぶことになる訳ね。

 

「えっ、『イッパイアッテナ』っていう名まえなのかい。」「そうじゃない。『イッパイアッテナ』なんていう名まえがあるもんか。でも、おまえがそうよびたけりゃ、それでもいい。

※『ルドルフとイッパイアッテナ (講談社文庫)』(斉藤洋 著) より引用

 

まずここでわたしの謎はひとつ解けてすっきりした(笑) なんでイッパイアッテナって名前なんだったかなぁとずっと考えていたんだ。

 

 

それから、ルドルフとイッパイアッテナは、イッパイアッテナの住んでいる街で、野良猫として生き方を学ぶ。どうやって餌をもらうか、どこで寝るか、いろいろなことを教えてもらう。

イッパイアッテナは不思議な猫で、猫なのに読み書きができる。その理由もだんだん明らかになる。字が読めるからイッパイアッテナはとても博識だ。ルドルフはとても素直な猫で、イッパイアッテナと一緒にいろいろなことを学んでいく。そして、読み書きもイッパイアッテナから教えてもらうことになる。

 

野良猫と飼い猫、犬と猫、人間と猫、猫たちの友情、いろいろな対比が出てくるんだけど、これがまたまるで人間の社会と同じような部分もあって、大人ごころにもハッとさせられることがあるんだよなぁ。とにかくルドルフは素直で、まるで無垢な子どものようで、ルドルフの歩みは人間の成長を見ているような気分になる。

 

ここからネタバレ。

 

最後の最後、ルドルフが戦うシーン。ルドルフは自分のためじゃなくて、イッパイアッテナのために戦う。戦略を立てて、大きな相手に挑む。その様子はまるで最初のルドルフとは別人のように格好いい。そして、そこの文章も秀逸。でも、最後、首輪が光ったのを見て、ルドルフは飼い犬も野良猫が羨ましいんじゃないかと想像する。ここがすごい。学んで知識を得て、そしてどこに到達するか。ルドルフは、自分とは別の境遇の人の気持ちを想像することができるようになったんだね。すごく感動した。

大人になるというか、成熟するというのは、俯瞰してものを見ることができたり、相手の立場に立って考えて想像することができることなんだなぁ。自分の周りのことしか知らなければ、自分のことしか分からないし、遠い場所に住んでいる人や、違う境遇の人のことは想像できない。それは許しにも繋がるし、まぁ大きく言えば平和というか、違うものどうしが優しさを持って生きられるってことなんだなぁ、などと思いました。ルドルフは最後でそれに気がつくんだね。そして、岐阜には帰らないことに決める。思わずほろりとしちゃったよ。

 

人間も、というかわたしも、立場や環境に捉われがちだったりして、あの人が羨ましい、わたしもあんな環境にいられたらいいなぁ、とかね。でも、誰でも誰かが羨ましいし、お互いがお互いを羨ましがってるのかもしれないね。なんで羨ましいのかな、とか、自分の持ってるものは何かな、とか、何かを羨ましく感じた時は自分の心を見つめ直すのがよいのかもなと思いました。隣の芝生は青く見えがち。なんかそんなことを、素直なルドルフに教えられました。

 

ほんとにいい本だなぁ。読めてよかった。Kindleで買ったけど、本で手元に置きたい一冊です。

 

おわりだよ。