みさちのにっきちょう

ハイパムフィクサーというバンドのベースの人がどーでもいいことを書いています。Twitter@misachi_bass

園子温「地獄でなぜ悪い」は、あらゆる楽しみ方ができるね

園子温の「地獄でなぜ悪い」を見ました。Amazonプライムで。腹筋しながら。

 


映画『地獄でなぜ悪い』予告編

play-in-hell.com

 

園子温作品は好きなんだけど、見るのに気力と体力がいるのでなかなか見る気になれず(「希望の国」はがんばったけど最後まで見られなかった)、「地獄でなぜ悪い」はまぁ途中まで見られれば良いかと思って見始めたらちゃんと最後まで見ちゃった。

 

あらすじ

極道・武藤組の組長・武藤大三は、服役中の妻・しずえの夢でもあった、娘のミツコを主演にした映画製作を決意する。

映画の神様を信じるうだつのあがらない映画青年・平田純と、通りすがりの普通の青年・橋本公次を監督に、スタッフやキャストは全員自分の子分のヤクザで構成した。さらに、武藤組と対立する池上組の組長で、ミツコに恋心を抱く池上純と池上組全体を巻き込んで、事態はとんでもない方向に進んでいくのであった。

 

盛大なるネタバレを含みますので、事前に内容を知りたくない方は読まないでね。ちなみにわたしは映画のネタバレまで読んでから面白そうだったら映画を見るタイプ。(最悪)

 

とりあえずギャグ映画として笑える

普通に何も考えなくてみてもおもしろい。平田のしゃべりがウザいんだけど、テンポが良くておもしろい。あと昔の映画風のダサい字幕。ありがちなカンフー。そしてこれぞって感じのチャンバラ。ギャグばりにぶっとんで切られて、これでもかっていうくらい血しぶき上がる園子温節って感じ。後半戦にかけてのスピード感がすごい。そして登場人物がみんな馬鹿(笑)愛すべき馬鹿。

 

映画をいろいろ見てる人には「あるある」引用で笑える

とにかくあらゆる「ベタな映画」の引用が散りばめられていて笑える。最近、昔のヤクザ映画にハマってるんだけど、まさに「極道もの映画」のわかりやすい引用だらけ。あとモロにブルースリー、マフィア(ゴッドファーザー?)だし。あと平田と女の子が分かれるシーンなんてフランス映画っぽい。途中の白い衣装で浜辺にいるシーンは園子温の「愛のむきだし」っぽいし。最後のチャンバラのシーンなんて、なぜか機関銃ぶっぱなして「気持ち良い〜〜〜〜」だし。もう、声出して笑っちゃったよ。あとチャンバラ長すぎ(笑) あと微妙に「極道の妻たち」みたいな要素もあってよかった。友近の演技がわたし的にはものすごいツボだった。たまらん。

 

商業映画をディスってるように見えるけど、本当は自虐なんじゃん?

劇中で「奇跡の一本」を撮ることを夢見る「平田」は「金のために撮るんじゃない」とか「俺は奇跡の一本が撮れたら死んでも良い」とか言ってて、表面的にはひたすらお金のためだけに映画を作ってる人たちをディスってるように見えるけど、そんな「平田」は10年経っても映画は完成しないわ、仲の良い友達と徒党を組んでそれだけで満足してるわ、その割に映画論?精神論?はウザいわで、ああこういう映画好きいるよね〜的な役になっている。しかも、後半になるにつれ平田と仲間のクレイジーさは加速してて、(映画の中の)現実ではものすごく映画的なシーンが繰り広げられてるのに全然違う所を撮影してたり、しまいには自分たちが機関銃をぶっ放してるし(そしてしつこいほどの蜂の巣)、さらには一人だけ生き残った平田はフィルムを持って走って出て行くと。「ヤッターーーー!!!」とか言って。全編通して、誰よりも現実を見てなくて、誰よりもアホで、しかも仲間が全員死んだことよりも撮影できたことを喜ぶ平田。なんかもう一番タチが悪いのは「映画好き」のやつだよ!みたいな終わりかたに思えてしまったね。それも含めて笑える。クレイジーだね。

 

 「地獄でなぜ悪い


星野 源 - 地獄でなぜ悪い 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】

そしてエンディング曲。この映画のために書き下ろされたそうですが、本人の病症体験と相まって、すげぇダークな歌詞だけど、星野源の甘い声と明るい曲調でなんともスカッとさせてくれるエンディングであります。エンディングの曲って大事だよね。これはいい曲。

 

そんなわけで、久しぶりに声をだして笑いました。プライム会員のみなさまはぜひ見てください(笑)

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